商工てんどう」特集記事

あの記事・この記事 特集記事 公募企画 広告募集  
次号予告 H13年度ナンバー H12年度ナンバー H11年度ナンバー  

 

新春特別対談〜21世紀にかける夢〜
Made in Tendo 天童女性が語るものづくり

 天童市には日本に誇れる「匠の世界」が残されています。地域に根ざした文化と伝統技術が融合した「ものづくり」が継承されています。
 Made in
Tendo の一翼を担い天童の風土と伝統技術にこだわり、技術継承に真剣に取り組んでいる「ものづくり」女性代表4名をお招きし、新春第1段「21世紀にかける夢」のお話に花が咲きました。
 聞き手は、天童商工会議所青年部直前会長 遠藤俊明さん。一昨年から青年部で取り組む特産品開発・販路開拓事業の仕掛け人です。


司 会:天童商工会議所青年部 遠藤俊明直前会長
酒 造
:出羽桜酒造梶@後藤美代子さん
ぞ ば:鞄n辺麺工 小橋麗子さん
将棋駒:中島商店 中島比登美さん
陶 芸:天童焼若松窯 寒河江ちづさん


〜特産品とのかかわり〜

遠藤:一昨年は青年部として、天童の特産品開発を手がけてきて、私自身が地元の特産品を知らないことが多く勉強させられました。今日は天童の「ものづくり」にかける女性の話を聞けるということで楽しみにしてきました。最初に、ご自身の仕事の紹介を交えて、手がけている特産品を紹介してもらえますか。

中島:私は嫁いできて初めて将棋駒に携わりました。将棋駒は、木地造り、書き、彫り、盛り上げと作業も多様で、奥の深さを感じています。最近は詳しいお客様も多いので、こちらも勉強しないといけないと思っています。

寒河江:私も趣味では陶芸をやっていましたが、本格的にはじめたのは結婚してからです。今は夫婦二人でやっています。よく若松焼といわれますが、本当は、「天童焼若松窯」です。他の方が、ここで焼き物をはじめたときに他に窯の名前を付けられるように命名したと聞きました。観光客の方は、天童焼らしいものをとの要望が多いですね。そういった方には、若松ブルーといって、この土地の粘土の鉄分が反応して青く発色する焼き物を勧めて喜んでいただいています。

小橋:父が亡くなり、跡を継いでいます。子どもの頃は、麺づくりを見ながら育ちました。今は、機械作業の中に、手作業のよさを活かした製品づくりを模索しているところです。

後藤:私は、酒づくりの中で、仕込みの方を担当しています。酒づくりは冬の間の仕事です。我が社の酒づくりは昔ながらの手作業で、ひとつひとつの作業が職人の手にかかっていますから、気のぬけない作業です。

〜付加価値づくり〜

遠藤:手作業という話がでましたが、食品でも手間をかけたもののおいしさは格別だし、将棋駒でもいいものは使えば使うほど輝いてくるようなそんな良さがありますよね。

中島:いい駒は、まず盤に置いた時の響きが違う。高級駒の材料は国産のつげを使います。その材料もだんだん希少になっていますが、お客様にはできるだけいいものを提供していきたいと思っています。

遠藤:中島さんは伝統工芸育成講座で書き駒を習われたとか。私も書き駒をやったことがあるんですが、簡単そうに見えてすごく難しい。漆負けする人も多いと聞きましたが。

中島:私は、漆負けだけは全然ないんですよ。書き駒講座は4年間習いました。書き続けないとだめですね。覚えっぱなしではいけないと思い、今は集中できる夜に練習をしています。

遠藤:今のお客様は、商品になにを求めているんでしょうね。

小橋:麺のことをいえば、以前は細い麺がはやると皆こぞって細い麺とか、横並びだったのが、今はなんでもありです。太さ、色、ちじれ、粉の分量までもお客様のニーズは多様です。先代はお客様に合わせられないものはないがモットーでしたが、今こそそれを実行しなければならない時だと思います。

寒河江:うちの焼き物は手作業ですから一つとして同じものはないですが、最近思いますね。今100円ショップなんかでも焼き物もそれなりのものを売っていますよね。そんな時代に手づくりの製品を「売る」には、お客様に納得させるだけの付加価値をつけなければいけないと。技術はもちろん、造り手の人間性までも見られているような気がして、自分自身も高める意識をもっていないと安いだけの商品に負けてしまうという気がします。
〜新世紀の販売〜

遠藤:青年部の特産品も今度は販路開拓に入っていまして、販路もまた大切な分野であると実感していますが、販売方法について伺いたいと思います。

小橋:配送が便利になりましたから、真夏でも生麺を送ることができます。お客様がそれを海外に送ったりしているような話も聞きます。日本に限らず海外にお客様がということも考えていかないといけませんね。

寒河江:私達もホームページを開設して作品を公開しています。県外からの注文も多いし、ホームページでは世界中が市場になりますね。

〜後継ぎ、そして将来〜

遠藤:ところで女性の蔵人というのははあまり聞いたことがないのですが、後藤さんのほかに会社では女性の蔵人はいらっしゃいますか。

後藤:私だけです。確かに女性にはきつい仕事かもしれません。「男性には負けない」という気概でやってきました。ぜひ自分の次も自分の仕事を女性に継いでもらいたいと思っています。

遠藤:今、後継ぎの話が出たところで、後継についてはどうお考えですか。今後の夢もあわせて聞かせてください。

寒河江:小学生の娘が二人いますが、陶芸に興味を持っていて陶芸家になりたいと言ってます。陶芸は体力もいりますから女性には大変な仕事なので…なんて思っていましたが後藤さんの今の言葉を聞いて考えなおしました。(笑)

中島:小学生の子どもがどう思っているかまだよくわかりません。私自身は将来、天童の将棋駒を盛り立てていくためにも最高級駒の「盛り上げ」の技術をマスターしたいと思います。

小橋:先代から受け継いだものを基盤にしながら、よりお客様に満足を得られる製品づくりに取り組んでいきたいと思います。

後藤:おいしいお酒をつくるためにも、会社から私という女性を使ってよかったと言われるよう努力していきます。

遠藤:造り手側の皆さんの努力はもちろん、これからは天童市民が地元特産品に誇りを持ち、市民一人一人がセールスマンとなるように、地元市民にも特産品の存在を強く訴えていく必要があると思います。この対談を契機に将来、皆さんの製品のタイアップなども期待して本日の対談を終わりたいと思います。皆さん今日はどうもありがとうございました。