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リストマーク 会員レポート
このコーナーでは、会員の皆さんや国際交流体験者のレポートを掲載しています。
 

「 山形国際ドキュメンタリー映画際に参加して」平成17年11月

■会員 中野るり子さん

 「パレルモの聖女/アントニオ・グイーディ」

ん!間違いない!この作品名と監督名からイタリアの匂いを嗅ぎ付けた私は早速、山形国際ドキュメンタイリー映画祭の語学ボランィアスタッフに応募しました。

 映画祭のことは知ってはいたものの、いつも端から観てるだけ...から参加する方へ。何でも、2年毎に開催されるこの映画祭は今年で9回目を迎え、世界的にも有名らしく監督さん達の口コミでも裾野を広げているそうです。今回初参加したのは言うまでもなく'’イタリア語を話したかったから...''

ボランティアに参加する人々の動機、職業、国籍は様々。映画が好きだから。映画を撮っているから。英語が話せるから。中国語。フランス語...。ピチピチ現役の学生、主婦、フツーの会社員、そうは見えない塾の先生、プーさんにフーテンの寅さん?みたいな人...一見みんなバラバラの様で、ところが何故だか合う人とは合うんだなあ、これが!

 私達の仕事はと言うと主に4〜5人のグループを作って、外国から来日する監督さん達のアテンドをする事。というと聞こえがいいけれど、まだまだレベルの低い私のイタリア語。今振り返れば、辛くも(冗談×2)楽しい充実した1週間でした。思っていた通り、アントニオさんも助監督のキャロリンさん(ドイツ人)も大のCAFE好き(勿論おしゃべりも?)でとあるお店で何度も遭遇した...。お二人に限らず特にヨーロッパ系の監督さん達はテラスのあるこのカフェッテリアをよく利用していたようです。

 監督さんの趣味であるJAZZのLPを買いに行こう!と張り切って街へ繰り出したものの、初めにお寿司を食べてから買い物に行く予定を勘違いして先に買い物に向かい、途中おなかがすき過ぎて、帰り道はちょっとみんな無口になったり、たった1週間でも数えたらきりがないくらい失敗ばかり...。でも本当にいい経験させて頂いたと思っています。

皆様に感謝です。

「話したいや伝えたいことがたくさんあるんだけれど、頭の中で整理していると突然“白い悪魔”がやって来る」ってこと、ありませんか?
“白い悪魔”...そうです。頭の中が突然真っ白になってしまうのです。当然?この映画祭の期間中、私は何度もこの白い悪魔に襲われました。
 
 10月7日金曜日、今回私がアテンドさせていただいた映画【パレルモの聖女】のイタリア人監督(;registaーレジスタ)アントニオさんとドイツ人助監督
(;aiuto regista アィウート・レジスタ)キャロリンさんはやって来ました。

 “BENVENUTI A YAMAGATA”“HERZLICH WILLKOMMEN”
それぞれイタリア語とドイツ語で「ようこそ山形へ」と書いた手作りのウエルカムボードを手に、山形駅の改札口で、他のボランティアスタッフとともにお二人の他、フランス、ブラジル、中国etc...多くの海外からのお客様をお迎えしました。イタリア語がまだまだしどろもどろの私、ドイツ語まで話せる余地はなく、ドイツ語を勉強している知人に教えてもらった唯一のフレーズを元に、当日の朝カラーペンを何本か駆使しながら必死で作ったのです。勿論お互いに初対面...でも彼らは私の手書きのウエルカムボードを目印にやって来て下さいました。「ホッ」とするや否や「あっ!そうそう....自己紹介、自己紹介!!」と少しだけ冷静さを取り戻し、
「BENVENUTI A YAMAGATA, mi chiamo Ruriko molto piacere.」
(ようこそ山形へ。初めまして、私の名前はるり子です。)この後、アントニオさんとキャロリンさんも自己紹介をして下さり、握手を交
わして...とここまでは明確に覚えているのですが、この直後に“白い悪魔”は襲って来ました。...
〔余談になりますが、彼らイタリア人は自己紹介の時、余り名字(;cognomeーコニョーメ)を名乗る事はありません。当然のように名前しか名乗らないので、イタリアに行ったら是非名前(;nomeーノーメ)だけ名乗りましょうね。しかも、アクセントは時と場合にもよりますが、単語の最後から2番目の母音を強調して発音するとそれらしく?なります。今はプレミアリーグに移籍して、あの流暢なイタリア語を聞く機会がなくなってしまったのが残念なあの中田選手の場合は名字で呼ばれていましたが、「ナカータ!!」と、しっかり「カ」を強調して呼ばれていたようです。〕  

 予想通り、私が多かれ少なかれ、イタリア語を話せると知ると機関銃のように質問(;domandaードマンダ)を浴びせて来ました。「すみません。わたしまだ少ししか話せないので、ゆっくりと話していただけませんか?」 piano piano(;ピアーノ ピアーノ)一般的に早口な?イタリア人の質問攻めに困った時はまず、piano piano...ゆっくり、ゆっくり、とジェスチャーを添えて伝えるのが大切だと思います。本当に...。

 期間中、メイン会場となった七日町のAZのゲストハウスではよく監督さん達と雑談(;chiacchierata キアッケラータ)をしました。山形の美味しいもの、近場のお薦めスポット簡単なフレーズで、フレーズがなかなか地下室から出て来れない状態の場合は単語(;parolaーパローラ)を並べながら会話を楽しみました。...いや、正確には「楽しませて頂いた」...かな?お二人とも今はドイツに住んでいらっしゃるとは言え、アントニオさんにとっては母国語(;madrelinguaーマドレリングア)。キャロリンさんはドイツ人であるものの少しはイタリア語も話せました。私とキャロリンさんが話していると、時々アントニオさんが通訳をして下さったりとイタリア語、ドイツ語、日本語の何とも三位一体?インターナショナルな雑談が繰り広げられたのであります。いつものように“白い悪魔”がやって来たある日、アントニオさんは手に持ったミネラルウォーターを後ろに隠したりまた見せたりと、ジェスチャーを交えて、こんな単語を何度も何度も繰り返し教えてくれた。

「scomparire e comparire」(;スコンパリーレ エ コンパリーレー姿を消す。消える。 と、 現れる。)...つまり、アントニオさんは「話したい事はあるんだけれど、突然頭の中から消えたりするんでしょう?」ということを体当たりで教えて下さった。やっぱり、イタリア人だ!!私がこれまで会ったほとんどのイタリア人は皆、優れてボランティア精神旺盛だ。しっかり目を見つめて、あっいや、目を見て伝えようとするとやっぱり気持ちが伝わるのだ。これに親密度が増して来ると?こちらの腕をさすりながら話して来る。タイプの場合は心は弾んで会話も弾んでくるのだが、そうでない場合は、困ってしまう事も...?「ちゃんと話せなくてごめんなさい。」と言うと、だいたい「Ma dai...マ、ダ〜イ!〜何言ってんのよ、そんなことはないよ〜」と返してくれる。この優しい言葉についつい甘えてしまうのだ(笑)。ドイツ人であるとは言え、キャロリンさんもしっかりと「Ma dai.」と言うフレーズを私に投げかけてくれたのは言うまでもありません。

続く...お楽しみに!



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